富士登山(須走口 日中日帰りプラン)

どうも、主任のクサマです。
ついに日本最高峰の富士山登頂を果たしました!我がパーティは主任(Lv5)、キング(Lv2)、みりん(Lv2)の初心者3人でしたが、ある程度の準備としっかりとした装備、それとやる気があれば何とかなるものです。小出しにするのも面倒なのでまとめてレポートさせてもらいます。

5:30頃 須走口五合目到着も・・・

前日の天気予報では富士山周辺は終日曇りマークだったのですが、行ってみると見事な快晴。きっと御来光もすばらしかったのだろうなと思いつつふじあざみラインを登っていきます。すると案の定すでに路駐車でいっぱい。五合目まで行かないとUターンできないので仕方なく上まで行き、もどかしい思いを噛み締めて元来た道を戻ることに。だいぶ下ったところで車1台分のスペースを見つけて「先頭まで戻らずラッキー!」と思いましたが、すでにそこは3.5合目付近なのです。この時点で時刻は6時近く。急いで準備を整え、30分かけて五合目まで歩きました。今回の富士登山、実は三合五勺からのスタートです。

6:40 須走口五合目(標高2000m)スタート


新六合目までは樹林帯〜灌木帯です。日陰もあるので案外楽に行けます。下界から自衛隊の演習の音が良く聞こえました。次の六合目までも半分くらいは灌木帯です。七合目までは視界も開け眼下に雲海が広がります。左手に砂走りを下る登山者を見つつ七合目大陽館まで。


大陽館では御来光を見た登山者がこれから砂走りを控えるということで人がごった返しの状態でした。今回の富士登山でここが一番混雑してたかも。次の本七合目見晴館は下山中の人はあまり立ち寄らないのか、空いていてゆっくり休むことができました。この辺では少し寒くなってきたのでアームウォーマーを装着。キング(Lv2)とみりん(Lv2)も長袖のパーカーを羽織りました。この時点で登って来る登山客は自分たちも含めて7〜8組程度でゆっくり自分たちのペースで登ることができました。
八合目から吉田口登山道と合流するので多少の混雑を覚悟していたのですが、休んでいるのは主に下りの人でそこから登っていく人はあまり多くなかったように思います。私たちが出発した時点でも5〜6組程度だったでしょうか。ここからはつづら折りがひたすら続く傾斜の厳しい道のりです。八合五勺の御来光館付近で霧が発生し、霧の粒が大きいのかそれとも雨だったのか、水滴がザックに付くようになってきたのでレインウェアを着込みました。この時点で気温14℃とのことだったのでちょうど良いタイミングでした。


このあたりで同行者のみりん(Lv2)の体調に変化が。最初から息は上がりっぱなしだったのですが、本当に苦しそうになってしまったのです。声にならない声を発しながら呼吸するみりん(Lv2)に他の登山客もみな心配そうに声をかけてくれました。私も班長として本当に上まで行けるか不安でした。それでも14:30、3人そろって頂上に到着することができました。先に着いていた他の登山者が一様に「よく登ってこれたね。もうダメだと思ってたよ。」と。あとで本人に聞いてみるとあれは突然のひらめきで編み出した独自の呼吸法だったとか。声を出すことによって無理やり呼吸する、私にはちょっと恥ずかしくてマネできそうにありません。

14:30頂上到着

約8時間かけてやっとのこと山頂へ。山頂では結婚式用のビデオレターを撮影しているグループがいました。なかなか粋なグループです。山頂は思っていたよりも空いていました。簡単な食料は持ってきましたがせっかくなのでここで遅い昼食を取ることに。驚いたことに富士山頂にもかかわらず、うどん(800円)、ラーメン(800円)など筑波山や大山とあまり変わらないのです。私たちは月見うどん(900円)と豚汁(800円)を食べつつ、しばし日本一の場所で感慨に耽りました。
残念ながら時間があまりなかったのでお鉢めぐりは断念することに。「富士山に一度も登らない馬鹿、二度登る馬鹿」という言葉があるそうですが、剣が峰で三角点を見ないことには日本一を制したことにはなりません。また行くことになるでしょう。

16:12 下山開始

下りは今まで積んできたトレーニングとサポーターのおかげでぐんぐん下りることができました。先ほどまで虫の息だったみりん(Lv6)が私を下りでは追い抜くほど元気に。これにはキング(Lv6)もびっくりです。1時間もかからないうちに七合目大陽館まで標高差750mを下ることができました。
ここからはいよいよ砂走りです。実は砂走りを下るのを楽しみにしていました。砂走りでは月面散歩しているように走れると聞いていたのですが、ほんとにそうだったのです。もちろん自分の足で走っているので疲れます。だけど、あまりの楽しさにピョンピョン飛び跳ねながら一気に砂払い五合目まで走りきりました。その間わずか25分。モデルタイムが50分なので実に半分の時間で下りてしまった。いや〜、ほんとに楽しかった。御殿場口はもっと砂が柔らかく深いそうなのでそちらにも行ってみたいです。これも空いていたからこそできたことです。もし登りの時に見たように列を成して下りなければならない時間帯であったら、この醍醐味を楽しむことはできなかったでしょう。そうそう、砂走りではスパッツは必須です。走ると確実につま先から足の甲の部分まで砂に埋まります。
キング(Lv6)とみりん(Lv6)も私に遅れること15分で砂払い五合目に到着。さらに25分後には須走口五合目まで無事下山することができました。どうも私たちは下りにめっぽう強いパーティだったようです。休みなしのモデルタイムより30分も早く下りることができました。


今回は駐車スペースを探すのには一苦労しましたが、その後は特に混雑もなくスムーズに富士登山を楽しむことができました。危惧していた天候にも恵まれ本当にラッキーだったと思います。



獲得経験値 3750M(大日岳)
主任 Lv5→Lv9
キング Lv2→Lv6
みりん Lv2→Lv6

今回の富士登山の行程

2006年8月20日(日)
06:05 駐車した場所(三合五勺)から歩き始める


06:40 須走口五合目スタート
07:54 新六合目 長田山荘(2450m)到着
08:43 六合目 瀬戸館(2700m)到着
09:57 七合目 大陽館(2950m)到着
11:00 本七合目 見晴館(3250m)到着
11:48 八合目 江戸屋(3350m)
12:26 本八合目 江戸屋(3400m)到着
13:10 八合五勺 御来光館(3450m)到着
14:30 須走口頂上到着


登山道 7時間50分


16:12 須走口下山道
17:04 七合目 大陽館(2950m)
17:29 砂払五合目(2300m)
18:14 須走口五合目到着(2000m)


下山道 2時間2分


合計 9時間52分

下山のテクニック

ここで自分なりに編み出した下山のテクニックについてまとめておきます。もしかしたら市販の登山本にも書いてあるのかもしれませんがせっかくなので。
須走口の下りは階段のように段差がなく延々とスロープ状の斜面が続きます。しかも直線が長いので普通に下りたら足がガクガクしてしまうでしょう。実際、後ろ向きや横向きで下りている人がいました。スキーのスラロームのように明らかにジグザグに下りれば足の負担は軽減されますがそれでは時間がかかります。そこで私は下図のような足の運びで下りるようにしました。


この方法だとひざに負担が集中せず足全体を使ってリズム良く下りることができます。もちろん慣れないうちははっきりジグザグで下りるのがいいと思います。この方法は段差の低い階段でも使えます。また疲れている時の上りでも有効です。砂走りでもこのリズムで適度に減速しながら下りました。筑波山で編み出した方法です。ぜひ一度お試しあれ!

装備と準備について

今回持って行ったもので重宝したのが、アームウォーマーとひざ用サポーターです。アームウォーマーは冬場のマラソンランナーが手首から二の腕あたりにかけて着けているものと同じものです。Tシャツとアームウォーマーだけで八合目(気温約14℃)まで行けました。日焼け防止にもなり、暑ければ取ればいいので快適でした。アームウォーマーを使用していたのは見た限り私だけだったと思うのですが、Tシャツの袖に隠れてしまうと野球のアンダーシャツに見えてしまうのが玉に瑕。でもほんとにアームウォーマーはオススメです。
ひざサポーターも抜群の効果を発揮しました。ただし、このサポーターをするとひざを90°近くまで曲げるのが困難になるので登りでは使用しない方がいいと思います。階段や岩場を登るのがつらいです。もちろん私は下りだけで使用しました。結構かさばるものですが下りではあると助かります。


GORE-TEX製品の性能には本当に驚きました。確かに蒸れないのです。同行者が使用したスパッツGORE-TEXではなかったのですが、スパッツの裏側に汗で水滴ができてしまい、砂が泥のようになってしまっていました。またレインウェアも蒸れないのでウインドブレーカー代わりに使用して問題ないと思います。せっかく持って行ったソフトシェルは使用しませんでした。


高度計と温度計付きの腕時計があったら楽しそうだなと思いました。私はそれを持っている見知らぬおじさんに高度と気温を何度か聞いてしまいました。あと必要に感じたのは帽子です。しかも、耳も隠れるようなつばの大きいタイプ。私は汗が垂れるのが我慢できずタオルを巻いていたのですが、下山すると額の真ん中にくっきりと日焼けの跡ができてしまいました。まさに日の丸顔。天気予報が曇りだからといって油断は禁物です。必ず帽子と日焼け止めクリームは持って行きましょう。


主任(Lv5)初期装備
□ ザック Osprey atmos25
□ 靴 MERRELL STORMRIDERMID
□ 厚手の靴下
□ 軍手(滑り止め付き)
□ パンツ ノースフェース APEX TREKKING PANT
□ デジカメ SONY サイバーショットDSC-T1(パンツのサイドポケットに)
□ Tシャツ Fox Fire トランスウェットCCフジルートTシャツ
□ インナー BODY TECH ドライコンプレッションジップT(ノースリーブ)


持って行ったもの
□ ステッキ
□ サングラス adidas A126 evil eye(自転車で使っているもの)
□ ザックカバー
□ レインウエア mont-bell レインダンサー
□ ソフトシェル mont-bell
mont-bell サーマテック アームウォーマー
□ ひざサポーター PRO ニーラップ
スパッツ mont-bell GORE-TEX ライトスパッツ ロング
・タオル 2枚
・水 2L (CAMELBAK アンボトル2L)
・スポーツドリンク 500mL×2本
ウィダーインゼリー 1個
カロリーメイト 1個


使わなかったもの
・ザックカバー
・レインウェア(パンツ)
・ソフトシェル
・タオル 1枚
ウィダーインゼリー 1個
カロリーメイト 1個


※水 約500mLとスポーツドリンク 約250mL程度が残りました。

準備について(主任の場合)

2006-07-30 筑波山
2006-08-05 丹沢大山
2006-08-13 日光白根山
2006-08-15 筑波山

その他、定期的にジョギングとスクワットを少々。


富士登山前日はしっかり睡眠を取りましょう。これが最も大切な準備だと言えます。私たち3人はみな前日は興奮していたのか3時間以内、みりんにいたっては1時間半しか寝ていなかったとのこと。これではバテるのも仕方ありません。体調が万全であればきっとお鉢めぐりもできたはずです。

追記 2006-08-31

キング(Lv6)の友人が8/26(土)の夜から御来光を見るために富士山に登ったのですが、渋滞がひどくて頂上までたどり着く前に日の出になってしまい、挙句の果てには登頂を断念して下山してきたそうです。週末は混むと聞いてはいましたがそこまでとは。さらに五合目では服装&装備チェックがあったそうです。スニーカーの人やライトを持っていない人、子供連れなどは六合目までは許可するがそこからは引き返してくるよう指導されたとか。尤も当日は悪天候で真冬並みの寒さだったようなのでそれも仕方ないことかもしれません。それにしても、5分で3歩の渋滞とはオドロキです!

みりんの呼吸法について

みりんの呼吸法についてちょっとおもしろおかしく書いてしまいましたが、実は非常に有効な呼吸法であったようです。声を出すと息を吐ききることができます。そうすると嫌でも深呼吸しなければならなくなります。緊急事態のみりんは無意識のうちに楽になる方法を取ったのでしょう。キングの知り合いの人にその話をしたそうですが「それなら相当やばくても登ることができるかもしれない」ということでした。当のみりんは翌週、キングに向かって「時間が合えば週末富士山行かない?」と誘ったそうです。もちろん行けはしませんでしたがすごいです、みりん。ふがいない自分にサヨナラだ!