上海旅行 1日目

「いや〜、ラカムナさん。あの酔っ払いながら何気なく話していたことが、現実になった瞬間ですね!」


私がJL791便から上海浦東国際空港に降り立って発した最初の言葉である。そう、ラカムナさん、マエさん、そしてクサマの3人は中国は上海にやってきたのだ。ことは1月19日(金)の「まるしん」までさかのぼる。。。


クサ:「私はシカゴに行く前に飛行機に乗る練習が必要だと思うんですよね。」
ラカ:「いいんじゃない、行けば。」
クサ:「韓国だったら近いから2月の3連休で十分行けますよね?どうですかぃ?」
マエ:「どうせ行くなら、孫さんに会いに上海に行けばいいんじゃない?」
一同:「そ・れ・だ!!」


それからの私の行動は素早かった。翌日にはJTBに行き上海行きの手配を進めた。2月の3連休は、案の定すんなりチケットは取れなかったが、キャンセル待ちの手続きをし、なんと運良く月曜日には航空チケットが取れたのであった。それからすぐに中国の会社に転職した元同僚の孫さんに連絡し、上海で会う約束を済ませた。本来は、Gotoさんも含めた4人で行く予定だったのだが、Gotoさんが当日どうしても外せない用事ができたということで、本社の3人だけとなった。ラカムナさんはパスポートの期限が切れており、慌てて取りに行ったようだ。


このように思い付きで言った言葉がみるみる形を成していき、その結果我々は上海へと導かれるようにして降り立ったのである。

1日目

空港から我々が宿泊する上海のホテルまでは、JTBが用意したバスで移動した。ガイドは張さんという現地の人だったが、日本語が上手で話がとてもうまい。1時間ほどのバスの時間があっという間だった。



『張さん語録』

  • 中国には陰陽調和という言葉がある。日本では蟹を食べる時はビールだと思うが、上海蟹を食べる時はぜひ紹興酒で食べて頂きたい。(おそらくこれは上海蟹を食べ過ぎるとお腹が冷えるので、冷たいビールではなく紹興酒を、ということではないか?あるいはそれぞれの原産地が近いからか?マクロビオティック的な考え方だと思われる。例として、マッサージを受ける際は、女性は男性に、男性は女性にやってもらうのがよい、なぜなら女性の体温は低く、男性の体温は高いからだ、とも言っていた。)
  • 上海は昼間は男性的、夜は女性的と言われている。近年の急速な経済発展の影響から、昼間は建設ラッシュでエネルギーに満ち溢れている。しかし、夜になれば街は静かになり、きれいにライトアップされとてもロマンチックである。
  • 上海では女性は強い、男性は弱い。北京では男性が強く、女性は弱い。街中でおしゃれで声の大きな女性を見かけたら上海の女性と思うべし。

宿泊先はセントラルホテル上海(王宝和大酒店)で16時過ぎに到着。南京東路のすぐ近くにあり、抜群の立地条件だ。ここで張さんと別れて、あとは全てフリー行動に。なお、両替はホテルのフロントでやってもらった。1元16円ほどで最もレートが良かったのだ(成田でも浦東空港でも、レートは1元17.4円ほどだった)。3人で2万円分を元に換え、1,245元ほどを我々のとりあえずの行動資金にすることにした。金庫番はラカムナさん。


ホテルの部屋から孫さんに連絡し、新天地で待ち合わせることに。新天地まではタクシーで出かけた。ここで一つアドバイス。タクシーはホテルの玄関で、ホテルマンに捕まえてもらうのが良い。それがたとえ自分たちが泊まっているホテルでなくてもだ。上海での移動はタクシーが圧倒的に多いようだ。それは初乗り11元と安いからだ。地元の人でもタクシーを利用する人は多いらしく、とにかくタクシーが捕まらない。ホテルや観光地なら、そこが目的地で来るタクシーも多いから、交換で乗り込めば良い。また、大通りであればタクシー乗り場(Pのマーク)がある。ただし、現地人は平気で割り込んでくるので注意が必要である。



「新天地」と書いたメモをタクシーの運転手に見せ、いざ出発。中国では漢字が通じるために、こうしたメモが大いに役に立った。さて、やっと乗れたタクシーであったが、ドライバーはおそろしくせっかちであった。しかも、それは全てのドライバーに言えることである。少しでも前の車が遅いものなら、すかさずクラクションとパッシングの雨あられ。煽る煽る。歩行者が横断歩道を渡っている時もおかまいなしで突っ込んでいく。その時私は前の座席に座っていたのだが、軽く恐怖を覚えた。以後、我々3人は必ず後部座席に座ることにしたほどである。そもそも歩行者も歩行者だ。信号が赤でも横断歩道を渡るのは普通で、横断歩道がないところでさえ、平気で道路を横切ろうとするのだ。良く言えばおそろしく自己主張が強い、悪く言えば自分さえ良ければいいという考えなのだろう。しかし、広い中国、しかも急速な経済発展を遂げた上海では、そのくらいでないと生きていけないであろうことは容易に推測できる(ことにする)。


よもや話ばかりでちっとも進まないが、現地時間17時半過ぎ、ついに孫さんと会うことができた。約半年ぶりの再会である。

新天地〜南京東路

そこには半年前と変わらぬ孫さんがいた。旦那様のMarcも一緒だ。Marcはウサギ料理を食べた際、骨を噛んで前歯が折れたのだという。ニカッと笑うMarcはキュートだった。新天地にはあまりおいしいところはないと言うことで、オススメの四川料理を食べに行こうと我々はタクシーに乗り込み、孫さんが行き先をドライバーに中国語で説明する。なんと着いた先は宿泊先から程近い、南京東路の入り口近くだった。。一同口をそろえて「最初からこっちで待ち合わせれば良かったね」と。でも、新天地は話題の観光地らしいので行けて良かったですよ。



南京東路は、東京でいうところの新宿東口とか池袋とかそんな感じの繁華街だ。歩行者天国になっており、人であふれかえっている。一般の買い物客に紛れて、時計やバッグなど(おそらくニセモノの)ブランド品を売りつけにくるキャッチセールスが後をたたない。特にMarcは、見た目は誰が見てもアメリカ人だから、そんな輩が順番待ちさえしていた。さすがにうんざりでしたね。いらないって言ってるのに、次のキャッチとまた同じやり取りを繰り返さなければならない。彼らも生活がかかっているのだろうがこちらの気持ちも少しは考えて欲しい。



まず、私がパジャマを忘れてしまったのでユニクロでフリースパンツを59元で購入した(Marcは、そんなの買わなくたってアメリカンスタイルでいいじゃない(つまりパンツ一丁で)と言って笑ってた)。そして、お目当ての四川料理店「渝信川菜」に入ったのだが、地元人にも大人気のこのお店、すでにたくさんの人が待っていて期待感が高まる。約30分くらい待っただろうか、ようやく我々も席に着くことができた。本場の四川料理。。。私はまたもやここで中国の洗礼を浴びるのである。とにかく辛い。辛いというか舌がビリビリしびれて味なんて分からない。料理が辛いので水代わりにビールをしこたま飲む、落ち着いたらまた食べるの繰り返し。特に辛かったのが、Marcの前歯をへし折ったというウサギ料理。ウサギがどうこうよりもすでに山椒の味しかしない。基本的にどの料理も山椒や生姜、セロリやパクチーなど、あくの強い味付けが多い。孫さん曰く、中国の人はそういう変な(?)味付けの方が好きなんだって。同じ中華料理でも広東料理は味がないに等しく孫さんはあまり好きではないそうだ。Marcはあまり四川料理は得意でないらしく、もっぱら回鍋肉ばかり食べていた。やっぱりポークですよね。わかるよ、Marc。



セントラルホテルは渝信川菜と目と鼻の先の距離しかなく、5人そろってホテルまで。その後、孫さん夫婦はタクシーで帰りました。ことあるごとに上海のエネルギーを肌で感じた1日目は、これにて終了。