上海旅行 2日目

2日目

私は大きな爆弾を抱えてしまっていた。どうも朝からお腹の調子が悪い(ある意味良い)。それはラカムナさんも同様のようで、昨晩食べた刺激物の影響であろう。ともあれ、この日は孫さんの自宅に招待されており、11時ごろホテルを出発した。


孫さんたちが住んでいるところ。それは上海の大手企業で働いている外国人が多く集まるベットタウンだ。上海の中心から車で30分くらいしか離れておらず、立地条件は良い。軒並み高層マンションが建っており、孫さん宅はそのうちの一つ、24階建ての20階にあった。




孫さんたちの息子、ケビンは実家に預けているそうだが、そのケビンへのお土産として日本からくすぐりエルモを持って行った。実は、上海出発の前日、2月9日(金)に亀戸のトイザらスで密かに購入していたのだ。「ケビンも同じ動きするよ!」と孫さんもMarcも大いに喜んでくれて、あんなでかい荷物を持ち込んだ甲斐があったというものだ。その他、私たちは150cmまでのメジャー付きフォトケース、坂角ゆかり、変わり塩(桜・ゆず・カレー味)の詰め合わせ、そしてなぜかピーナッツみそ(3袋)をお土産として持って行った。どれも気に入ってもらえたようでとりあえず一安心。

足裏マッサージを初体験

その後、孫さんたちは近所の人たちが親睦を深めるためのパーティに出席しなければならないということで、お昼は一緒に食べ、それから孫さんたちを待っている間、フットマッサージを受けることになった。



近くに餃子がおいしいお店があるということで、5人で出かけた。中国では餃子と言うと水餃子を指すそうだ。スタンダードな肉餃子とセロリが入った野菜餃子、それに干し豆腐、くらげの前菜、豚の腸の前菜、それに可口可楽(コカコーラ)3本、中国茶を頼んでたったの88元(約1,400円)。こちらは昨日の四川料理と違って、だいぶ日本人の口に合う味付けだったのでとてもおいしくいただけた。それでも食べきれない量である。上海の中心地から少し離れるだけで、物価はかなり下がるようだ(逆に言えば上海市街地が高いのか)。郊外のレストランには、おしぼりや紙ナプキンの類はないので、ウェットティッシュやポケットティッシュの携帯は必須だ。


その後、我々3人は孫さんたちと別行動で足裏マッサージを受けることになった。日本語が通じないスタッフに、孫さんが事前にいろいろ指示してくれたおかげで、私たちはまさに「まな板の鯉」状態となり、もの言わぬ旅人と化してまるまる80分を至福の時間に身を委ねたのである。



ここは足裏だけでなく背中や肩もマッサージしてくれるところだ。はじめそれを聞いて、私はエステのようなところを連想してしまい、服を脱がなければならないのかと心配したが、それは杞憂に終わった。専用のガウンのようなものに着替えればベストなのだろうが、足がひざまでまくれればそのままの服装でOKだ。昨日、孫さんに話した「陰陽調和」の話を覚えていたらしく、ラカムナさんとクサマには女性スタッフ、マエさんには男性スタッフを付けさせるという孫さんの粋な計らいだ。スタッフは3人とも若く、ラカムナさん担当の女の子は拙い日本語で「大丈夫ですか?」と聞いてくれるのが愛らしい。マエさんの担当者は、英語で「Are you OK?」と聞いているようなのでこれも親切だ。かく言う私の担当者は、部屋に備え付けてあるテレビに釘付けだ。80分間のうち60分はテレビに没頭していたのではないだろうか?それでも手だけは動かし、的確にツボを突いてくるあたりはさすがである。


80分間体中を丹念にマッサージしてもらい、ジャスミン茶が付いて一人たったの68元(約1,000円)。孫さんがオススメするのも頷ける。「富城足道」−。水城路まで足を伸ばす機会があれば、ぜひお立ち寄りいただきたい。

豫園(ユー・ユェン)


富城足道を出て程なくして、孫さんたちと合流した私たちは、タクシーで豫園へ向かった。目的は、南翔饅頭店の小籠包を食べるためだ。しかし、時すでに遅し。人気の南翔饅頭店はすでに終わっていた。せっかくなのでと豫園を散策する。



ここで絵文字を書いてくれるおじさんを発見!実は事前に我が社の蒋さんから絵文字の存在を聞いていたのである。美しい構図と色使いは、依頼する文字を見て、おじさんの瞬時のひらめきによって創られるものだ。お土産でもらうのもうれしいと思うが、一種の伝統芸として、ぜひ生でその様子を見てもらいたい。とても感動的である。額付きで100元のところ、孫さんが交渉して半額の50元(約800円)で描いてもらった。


気分を良くした我々は、フードコートのようなところで、食事をすることにした。これについては特筆すべきことは何もない。可もなく不可もなく、観光地でビールも飲んで147元(約2,350円)だったら安い方だろう。



トイレの悲劇

飲茶を堪能しようとしたまさにその時、私のお腹は臨界点を越えた。どうしても、我慢ができなくなったのである。昨日の辛い四川料理に加えて、先ほどの足裏マッサージが効いたのであろう。慌ててフードコートのトイレに駆け込んだ。しかし、私はトイレがあるという事実だけを確認して甘く見ていたのだ。上海のトイレ事情を。。。
トイレの個室には、大きなかご(バスケット)のようなものが備え付けてあり、その中に紙らしきものがたくさん入っている。その他にはトイレットペーパーのようなものは見当たらない。中国ではこのように無造作に紙が置いてあるのかとそれを使おうと思ったら、自分の中では予想だにしていなかった使用済みのものを発見してしまった。その時点になっても私は気付いておらず、誰かが間違ってこの中に入れたんだな、などと寛大な気持ちで、きれいな紙を見つけて使用した。しかし、きれいに見えてもどうもパリッとしている。そこで気が付いた。これは使用済みの紙入れだったのだと。
私は顔面蒼白でみんなの元へ戻った。事情を説明すると孫さんは大うけで「あれは他の人が使ったやつだから使っちゃダメだよ。紙は自分で用意するもの。」だと。私は声を大にして抗議したい!!なぜあんな紛らわしいものをしかも公然と置いてあるのか?汚いだろう!!水洗トイレなんだから流せよ!と。


みなさん、中国へ行く際はポケットティッシュはマストアイテムですよ。。。

外灘(ワイ・タン)

すっかり意気消沈してしまった私であったが、外灘から浦東タワーを見ないことには日本に帰れないと、わずかに残ったモチベーションを奮い立たせ、タクシーで外灘へと向かった。到着すると、そこにはなんと言うか、何かの冗談みたいな夜景が広がっていた。



      川の向こう岸                  上海側


横浜のみなとみらいの向かい側にお台場がある感じ?そんな節操がない夜景だ。しかしながら、確かに圧巻であり、上海の経済発展を象徴する夜景であることに変わりない。今は寒くてお勧めできないが、もう少し暖かくなれば、クルージングで夜景を眺めるのもいいそうだ。


外灘と南京東路はつながっており、我々の宿にも歩いて帰れるとのこと。なんとMarcまでもお腹を壊したと言い出し、その夜はおとなしくその場で解散となった。