顔の一部

寝るとき、ベッドで雑誌や小説を読む習慣が私にはある。

このとき疲労が限界に達していると部屋の電気を消さずに寝てしまう。もちろんメガネもかけたままだ。寝返りうったりしたらメガネを壊す恐れがある。
今常用しているのは今年の春に購入したばかりのメガネなので大変危険である。そこで最近は以前使っていた古いやつに掛け替えてから寝るようになった。
この『古いやつ』というのは長年酷使し傷だらけになりながらも良好な視界を確保、現在第一線からは引退したあの金縁のメガネだ。


この間の土曜は家でビールを飲んで少々酔ったまま寝た。メガネを掛け替えはしたが案の定掛けたまま寝たようで、日曜の朝目覚めたら長年私の顔の一部と化してがんばっていたメガネがベッドの上でこんな姿になっていた。


購入してからすでに十数年。壮絶な最期であった。