茶臼岳(1915M)

茶臼岳(1915M)


どうも、主任のクサマです。
今回は栃木県の那須高原にある茶臼岳にラカムナさんと行ってきました。那須岳として日本百名山に選ばれていますが、那須岳という固有の山はなく、茶臼岳、朝日岳、三本槍岳を総称して那須岳と呼ぶそうです。今回はその中でも茶臼岳、朝日岳を登る予定だったのですが、風がものすごく強く、朝日岳登山は断念しました。もちろん余った時間は有効に使いましたよ。

11:00 登山開始

空は快晴。絶好の行楽日和です。紅葉シーズンも相俟って案の定ボルケーノハイウェイは大渋滞でした。何とか駐車場に車を止めたのがすでに10時半。ロープウェイ乗り場よりもさらに奥の大きな県営駐車場の方です。当初の予定では行きだけロープウェイに乗って9合目までショートカットし、茶臼岳→朝日岳と行く予定でしたが、ロープウェイを使わずとりあえず登山道から峰の茶屋跡非難小屋方面を目指すことにしました。この登山道は森林限界が低く視界を遮るものがないため、右手に朝日岳を望みつつ、左上方に噴煙を上げる茶臼岳の容貌を見ながら歩ける山歩きには最高な感じなのですが、いかんせんこの時期は風が大変強いようでそれどころではありませんでした。峰の茶屋跡に近づくにつれどんどん風が強くなっていきます。
【11:40】 峰の茶屋跡非難小屋到着。非難小屋付近では気を抜くと飛ばされそうなくらいの風が吹いていました。そこから茶臼岳を目指します。ここでちょっとルートを間違えて牛ヶ首の方へと周る巻き道に向かってしまいました。結果的には噴煙や噴煙を上げる小さな孔などを間近で見られたので良かったです。


牛ヶ首を経由して茶臼岳を巻いて一旦ロープウェイ山頂駅でトイレ休憩をしました。そこから改めて茶臼岳の頂上に向かいます。ここからの登りは今までと比べて急激にきつくなり、しかも足元はザレ場なので大変でした。こちら側は南側なので風の影響はほとんどありません。
【13:20】 頂上にあっさり着くと茶臼岳の旧噴火口をぐるりと周回して峰の茶屋跡に戻りました。

ここからさらに朝日岳に向かう予定でしたが、依然として風が強いままで時間も何だかんだで2時近くになっていたので、ラカムナさんと相談して朝日岳は次回に持ち越しすることにしました。確かにこの日は朝日岳に向かう人はあまりいなかったように思います。天気はすごく良かっただけに残念です。もっと早朝ならよかったのかもしれない。足早に元来た道を駐車場まで戻りました。【14:30】 駐車場到着。


茶臼岳はロープウェイがあることから筑波山同様に観光地として一般の人がたくさんいるのもありますし、登山道も比較的楽なので単体で行くのは面白味に欠けるように思います。やはり登山をしに来たのならせめて朝日岳まで行かないと。

塩原もみじ谷大吊橋

早めに戻った私たちはせっかくここまで来たのだからと、塩原のもみじ谷大吊橋に行きました。まだ紅葉は始まっていませんでしたが、突然目の前に現れるその大吊橋はさすがに圧巻です。人が多いと結構揺れるからゾッとします。橋の真ん中で係りの人がデジカメで勝手に記念撮影をし、出口でその写真を売りつけようという風景は観光地にありがちなめんどくさいひとコマ。酔っ払いの団体客はワイワイしながらそれを購入していましたがね。

硫化水素と10円玉の化学反応

茶臼岳で噴煙孔を間近で観察した私は、化学を生業としている以上、10円玉がどう変化するか試さずにはいられませんでした。小さな噴煙孔の近くに10円玉を置き待つこと5分。見事に表面が真っ黒になりました。写真がなく申し訳ないのですが、この黒いのが硫化銅(CuS)です。拭き取ったらきれいになりました。(小さいお子さんや喘息持ちの方は真似しないで下さい。)
[:H100][:H100]


反応式は下記の通りです。

H2S + Cu  →  H2 + CuS

硫化水素は金属イオンの定性分析に使われているものです。2属の金属を分ける時に使います。ちなみに1属は鉛や銀で塩化物イオンで分けます。2属の金属の代表が10円玉にも使用されている銅です。多くの金属が硫黄(マイナスの2価のイオン)と化合物を作ります。だって金属を精錬で作る際のもとの鉱石は硫化物が多いのですから。硫化鉄、硫化銅、硫化銀、硫化カドミウム、硫化錫、硫化鉛、あげたらきりがないほどです。金属銅の表面で、銅から2個電子が水素イオンに移り、水素イオンが還元されるのです。同時に硫黄イオンが銅表面に結合するのでしょう。(以上、渡辺先生の受け売りです。)